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そもそも,
被告は,甲25陳述書については,気泡の存在を考慮していないとして,
その信用性を争い,他方において,甲28陳述書については,気泡を計
算に入れたことを論難しているのであって,その主張は一貫性を欠くも
のといわざるを得ない。
(4) 小括
上記のように,基本的に信用できる甲26陳述書では,GR−nの熱伝導
性無機フィラー(ただし,本件カップリング剤を除く。
)が「40vol%〜
80vol%」の範囲内にあると算出されていること,被告が提出した乙36
陳述書によっても「40vol%〜80vol%」の範囲内にあること,甲28陳
述書によれば,気泡の存在を考慮してもなお「40vol%〜80vol%」の範
囲内にあることからすれば,GR−nの本件カップリング剤を除く熱伝導性
無機フィラーの体積分率は,熱伝導性シリコーンゴム組成物としてのGRn
に対して40vol%〜80vol%の範囲内にあると認められるから,GR−n
は構成要件Bを充足する。
また,GR−nはシランカップリング剤として「<中略>シラン」を用い
るものであり,これは構成要件Aの「一般式(A)で示されるシランカップ
リング剤」に該当すると認められる(弁論の全趣旨)。
そして,GR−nはかか
るシランカップリング剤でカップリング処理した熱伝導性無機フィラーが分散
されているから,構成要件Aを充足する。
なお,被告は,GR−nではカップ
リング処理を施していない熱伝導性無機フィラーも使用されているから構成
要件Aを充足しないと主張するが,前記1(5)のとおり,本件明細書上,
未処理の熱伝導性無機フィラーを使用することを禁じるような記載は見受け
られないから,単に未処理のフィラーを使用したということをもって,構成
要件Aの充足性を否定できないというべきである。
このように,GR−nは構成要件A及びBを充足し,構成要件Cを充足す
ることに争いはないから,GR−nは本件特許発明1の技術的範囲に属する。
また,GR−nは構成要件Dの「放熱シート」に当たるから,本件特許発明
2の技術的範囲にも属する。
〔4〕【特許第●●号(特許発明4,出願日平成5年1月7日)】
a 特許発明4の構成
特許請求の範囲請求項1の記載に従って分説すると,以下のとおり
である。
●●(省略)
b 実施の有無
●●(省略)
c 無効事由の有無
次に,特許発明4の無効事由の有無について検討する。
特許発明3について述べたとおり,甲202は,特許発明4に係る
特許出願(平成5年1月7日)前に外国で頒布された刊行物であると
認められる。
甲202の62頁には,通常はAUTOに設定されており,この場
合は,入力された文字列(inputted message)をテープサイズと比較
して,自動的に可能な限り大きな文字を利用することが記載されてお
り,68頁には,AUTO(自動)ラベル長設定のときは,入力され
た文字列(inputted message)とテープ幅を参照して,自動的に文字
列に合うようにラベル長を調整するが,文字列のサイズにかかわらず
ラベルの長さを指定することもできることが記載されており,91頁
には,ラベルの長さを指定した場合,入力した文字列(the text you
have entered)が指定したラベルの長さに対して長すぎると判断され
ると,印字しようとした際に「設定したラベル長に対して文字列が長
すぎます」とのエラー表示が出ることが記載されている。
そして,ラ
ベル長を自動的に調製するためには文字の大きさが判明しなければな
らないところ,自動的に可能な限り大きな文字が設定される通常の場
合には,その文字について自動的にラベル長が調製されるものと解さ
れる。
また,ラベルの長さを指定した場合に,指定されたラベルの長
さと比べる対象は,印字しようとしているテキストの長さであるはず
であるから,自動的に可能な限り大きな文字が設定される通常の場合
には,その文字についてのテキストの長さと解するのが自然である。
また,甲202には,指定されたラベルの長さがそのテキストの長さ
に対して不足するときは,エラー表示が出ることが記載されており,
それ以外の場合(指定されたラベルの長さがそのテキストの長さに対
して不足しないとき及び自動的にラベル長が調製されたとき)につい
て記載されていないが,そのまま印字されると解するのが自然である。
特許発明4は,上記のとおり,テープ幅検出手段により検出された
テープ幅に基づいて,そのテープに印字される文字等のサイズが自動
的に決定され,その決定された文字等のサイズを有する文字等のテキ
スト長が算出され,このようにして算出されたテキスト長と,任意に
設定されたテープ長を比較して,テキスト長の方が小さいときは印字
をし,テキスト長に従って自動的にテープのテープ長が設定された場
合は,そのまま比較を行うことなく印字する(特許発明4の構成?〜
?),というものであるところ,上記の甲202の記載内容に照らす
と,甲202には,特許発明4のこの構成がすべて記載されているも
のと認めることができる。
弁論の全趣旨によると,特許発明4の構成
は,ラベルプリンタに広く見られる周知の構成であると認めら
れるから,特許発明4は,甲202に基づく無効事由があると認めら
れる。
〔5〕【特許●●号(特許発明5,出願日平成4年4月27日)】
a 特許発明5の構成
特許請求の範囲請求項1の記載に従って分説すると,以下のとおり
である。